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「2段階分類学(Two-phase Taxonomy)」の実践によって、インドシナ半島の種多様性の解明度を飛躍的に高める(事前調査)

概要

生物多様性の保全・持続可能な利用という今世紀最大の課題の解決を阻む「種多様性の未解明」という高い壁を打ち砕くため、ゲノム時代、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代に適合した新しい系統分類学の手法「2段階分類学」を構築・提案する。「2段階分類学」というアプローチの構築は、本研究プロジェクトを提案する江口の研究室で、ジムカデ類やコムカデ類という形態学的情報に依拠した従来の分類法では扱うことの難しい分類群を対象に進めている。

第1段階では、DNAシーケンスデータに基づく種判別解析を主軸とする統合的分類法(integrative taxonomy)により、標本群を暫定種へと分類する。そして各暫定種は、診断基準(=診断形質)としてのミトコンドリアCOI遺伝子(いわゆるDNAバーコード領域)の塩基配列に紐づけて、統一的な暫定種識別I Dでラベルし、引用可能な状態にする。

第2段階として(後追いで)、暫定種をリンネ式分類体系に組み込んで行く。この2段階のアプローチの利点は、第1段階でアウトプットされる暫定種ベースのデータセットをもとに種多様性の空間解析が実行可能なことにある(のちに各暫定種のリンネ式分類体系内での位置が確定した際に、暫定種IDを正式な学名に置き換え可能)。

本研究プロジェクトに参加する現地研究機関・研究者と連携し、生物多様性ホットスポットとして知られるインドシナ半島の陸上無脊椎動物および非樹木維管束植物を対象に、本アプローチを運用、精緻化しつつ、認知度・利用度を高める。そして、このアプローチを現地研究機関・研究者に技術移転する。そうすることによって、東南アジアの研究者が自国・地域の種多様性の解明を自立的に進めることができるように先導する。

 

 

実施体制(2025年5月現在の予定)

主研究者と組織

江口克之准教授(東京都立大学)

共同研究者

日本 小栗恵美子客員研究員(東京都立大学)
田金秀一郎准教授(鹿児島大学)
中野隆文准教授(京都大学)
村上哲明館長(兵庫県立人と自然の博物館)
ベトナム Nguyen Duc Anh(ベトナム科学技術院 生態学生物資源研究所)
Truong Xuan Lam(ベトナム科学技術院 生態学生物資源研究所)
Nguyen Thi Phuong Lien(ベトナム科学技術院 生態学生物資源研究所)
Ha Ngoc Linh(ベトナム科学技術院 生態学生物資源研究所)
Hoang Van Sam教授(ベトナム国家林業大学)
ラオス Phetlasy Souladeth助教授(ラオス国立大学)
Phongphayboun Phonepaseuth(ラオス国立大学)
Bounsanong Chouangthavy(ラオス国立大学)
カンボジア  

 

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